消費税率引き上げへの対策はできていますか? 3

消費税率の引き上げにより影響を受けるのはお客様だけではありません。
事業者の皆様にも関わってくる重要な問
題です。
平成16年以降、不特定多数の一般消費者に対しては総額表示が義務付けられていますが、キリのいい数字で価格設定されている方、特に飲食業や物販業、サービス業など店舗経営の方で、価格の再検討を考えていないという方は注意が必要です。
例を挙げて見てみましょう
ランチ1食消費税込 1,000円
▼ランチ1食を作るのに必要な経費
仕入+その他経費(消費税抜) 600円
人件費(人件費に消費税はかかりません) 300円
以上の条件で年間30,000食を売り上げたとします。
A 消費税率8% 消費税率10%
売上 30,000,000 30,000,000  
仕入+その他経費 19,440,000 19,800,000  
人件費 9,000,000 9,000,000 差額
手残り現金(利益) 1,560,000 1,200,000 -360,000
売上額は変わりませんが、仕入+その他経費が消費税の分だけ増しています。
その結果、手残り現金(利益)が消費税率10%への引き上げで360,000円減少しています。
次に消費税だけを抜き出して見てみましょう。
B 消費税率8% 消費税率10%
売上に係る消費税(預かり分) 2,222,200 2,727,200
仕入+その他経費に係る消費税(支払分) 1,440,000 1,800,000
納税額(預かり分-支払い分) 782,200 927,200
消費税の納税額が782,200円から927,200円へと増加しています。
消費税率が上がっているため、納付額そのものも増加するのは当然のことですがここで問題となってくるのは手元に残る現金です。
このまま消費税の納付時期を迎え納付をしたと仮定します。
  消費税率8% 消費税率10%
手残り現金(Aより) 1,560,000 1,200,000  
消費税納税額(Bより) 782,200 927,200 差額
差引 777,800 272,800 505,000
消費税率10%では8%時に比べ消費税納付後の手元に残る現金が505,000円減少してることが見て取れます。
これは税込1,000円据え置きのまま販売を続けたため、純粋な売上(入ってくる現金)が、消費税増税分圧縮されたためです。
次に同じ内容で簡易課税を選択している場合を見てみましょう。
C 消費税率8% 消費税率10%
売上に係る消費税(預かり分) 2,222,200 2,727,200
みなし仕入率60%(飲食業) 1,333,300 1,636,300
納税額(預かり分-支払い分) 888,900 1,090,900
消費税の納税額が888,900円から1,090,900円へと増加しています。
売上が据え置きにもかかわらず、仕入の支払が増税分増えているのですが、みなし率の為、納税額に反映されません。
このまま消費税の納付時期を迎え納付をしたと仮定します。
  消費税率8% 消費税率10%
手残り現金(Aより) 1,560,000 1,200,000  
消費税納税額(Cより) 888,900 1,090,900 差額
差引 671,100 109,100 562,000
消費税率10%では8%時に比べ手元に残る現金が562,000円減少、本則課税の場合よりもさらに資金繰り悪化です。
もちろん、上記は単なる試算に過ぎません。
実際はその事業者ごと、ケースバイケースで、逆に消費税増税により得をするケースも考えられます。 また、税額自体よりも増税による消費の冷え込みの方が大きな問題かもしれません。上記のケースで言えば、ランチを1,100円にした為に売上が激減する事は十分あり得ます。
中小企業が抱える様々な問題は、それぞれ個別の事情によるので、これさえあればというような簡単な解決策はありません。ひとつひとつ実際の取引実態を検証しながら、長期的な視野で複合的に考える必要があります。
私どもは日常の経理のお手伝いから、重要な経営判断のご相談まで、専門家として適切なアドバイスを致します。
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