消費税率引き上げへの対策はできていますか? 2

課税事業者とは・・・

消費税は事業者全員が納めなければならないわけではありません。基本的には2年前の課税売上高が1,000万円を越えるかどうかで決まります。
具体的な課税事業者と免税事業者の判定は以下のとおりです。
前々年(法人の場合は前々事業年度)の課税売上高が1,000万円以下且つ
前年(法人の場合は前事業年度)の上半期の課税売上高又は給料が1,000万円以下
・・・免税事業者
前々年(法人の場合は前々事業年度)の課税売上高が1,000万円超又は
前年(法人の場合は前事業年度)の上半期の課税売上高と給料が1,000万円超
・・・課税事業者
※資本金の額又は出資の金額が1,000万円以上の新設法人は最初の2期は課税業者となります。
さらに課税事業者に当てはまり、2年前の課税売上高が5,000万円以下の場合には、申請をすることで簡易課税制度の適用を受けることができます。
2年前の課税売上高5,000万円超、もしくは5,000万円以下であるが簡易課税制度の申請をしない場合は本則課税制度が適用されます。
(1)免税事業者・・・消費税の納税を免除される事業者
(2)課税事業者・・・消費税の納税義務がある事業者
納付する消費税の計算方法
1.本則課税制度
売上に対する消費税(預かった消費税)から、仕入に対する消費税(支払った消費税)を差し引いて消費税を算出する計算方法です。
具体的に上記図2の金額に当てはめてみましょう。
売上に対する消費税 = ランチ1,080円の内80円
仕入に対する消費税 = 材料432円の内32円
よって
80円 - 32円 = 48円
納付する消費税は48円となります。
すなわち上記図2のレストランは本則課税制度適用の課税事業者となります。
2.簡易課税制度
売上に対する消費税(預かった消費税)の計算は本則課税制度と同様ですが、仕入に対する消費税(支払った消費税)の計算は一切せず、その代わり売上に対する消費税に一定率(みなし仕入率)を掛けて算出した額を仕入に対する消費税とみなして、簡便的に納税額を計算する方式です。
売上に対する消費税のみ集計すれば計算できるので、本則課税制度よりも「簡易」な方式です。
具体的に上記図2の金額にあてはめてみましょう。
売上に対する消費税 = ランチ1,080円の内80円
みなし消費税 = 48円(80円×みなし仕入率60%)
よって
80円 - 48円 = 32円
納付する消費税は32円となります。
今回の例では簡易課税制度を適用した方が得であることがわかります。ただし、常に簡易課税制度が得というわけではありません。
事業区分 みなし仕入率 例えばこんな業種
第一種事業 90% 卸売業
第ニ種事業 80% 小売業
第三種事業 70% 農林水産業、建設業、製造業、ガス業、電気業、水道業
第四種事業 60% 飲食店業、その他の事業
第五種事業 50% 金融業、保険業、運輸通信業、サービス業(飲食店業除く)
第六種事業 40% 不動産業

ご自身がどの事業者に当てはまっているかお分かりいただけましたでしょうか。

駆け込み購入について
平成31年10月の消費税率が引き上げに伴い、仕入や経費で9月までの駆け込み購入をご検討の場合は、下記にご注意下さい。
本則課税の場合は、支払った消費税は預かった消費税から引いて納める消費税を計算します。増税後に購入しても納めるべき消費税額から引けるので、結果的に出ていく現金も損益も変わりません。
従って、駆け込みで購入する効果はありません。
簡易課税の場合は実際の仕入れや経費の金額にかかわらず、みなし率で消費税の納税額を計算します。また、免税事業者は消費税の納税を免除されている為、税額計算の必要がありません。
従って、簡易課税及び免税の事業者は、駆け込みで購入した方が安く買える分お得になります。
続いては、消費税率の引き上げが事業者のみなさんにどのような影響を与えるかを見ていきます。